DomaineJoliet / ドメーヌ・ジョリエ1142年にシトー派修道士によって作られた僅か5haのモノポール「ClosdelaPerriere」を継承。AOC法が制定される前、シャンベルタンと同額の取引がされていたこの壮大なテロワールの表現に心血を注ぐ、フィサンの歴史の伝道者。コート・ド・ニュイという、名だたる産地が連なる華々しいエリアの中では、フィサンはやや目立たない印象があるかもしれない。しかしながら、クロ・ド・ラ・ペリエール、クロ・ナポレオン、クロ・デュ・シャピトル、エルヴレ、アルヴレなどの素晴らしい1級畑に注目をすれば、可能性に満ちたアペラシオンである。その中でもフィサン最上と呼び声の高いクロ・ド・ラ・ペリエールは、この村の最南部に位置する5haの1級畑である。ブロション村に接し、ジュヴレ・シャンベルタン村のラヴォー渓谷まで続く泥灰土の層が通じているこの畑は、AOC制定前はシャンベルタンと同額で取引をされていた。ドメーヌ・ジョリエは、1142年にシトー派の修道士によって造られたこの偉大なる畑に目を付け、1853年からモノポールとして所有している。現当主である6代目ベニーニュ・ジョリエがこの畑で生み出すワインは常に高い評価を獲得している。アランメドーは「フィネスがあり、優れた複雑さと本物のキャラクターを提供するワインで、とても好き」だと語り、「素朴さとは無縁のバランスの取れたフィネスのワイン」と賛辞を送っている。フィサンの中で最高評価を獲得することはもちろん、ブルゴーニュ全体でみても高評価の常連となっている。ベニーニュ・ジョリエのワイン作りに対する哲学は”Listening”である。”Listening”とはこのドメーヌや畑の長い歴史に耳を傾け、そして新しい技術や情報もしっかり聞き入れ、最良の選択をしていくということだ。ベニーニュは当主になって以降、歴史あるこのドメーヌをさらに発展させるために、非常にゆっくりと慎重に、だが確実に、様々な改革に取り組んできた。有機農法へ転換していく中で、農薬を使用せずに害虫駆除をすることを目的にフェロモンカプセルを使用し、羊を畑に放し、イラクサなどのハーブティーを畑に散布した。また最新設備を備えたワイナリーを建設し、新樽比率を増加させた。そしてクロ・ド・ラ・ペリエールを更に土壌タイプで4つに区分して別々に醸造したのちにブレンドをすることも大きな改革だった。樹齢の高さも特筆すべきで、1990年植樹の樹齢30年超のシャルドネに加え、平均樹齢50年のピノ・ノワールは、樹齢100年を超える区画もある。美しいブドウが素晴らしいワインを生むという考えにより、収穫は手摘みで行い、非常に厳格な選果を行う。醸造は自然酵母のみを使用。白ワインは、全房で優しくプレスすることでピュアな酒質を備える。赤ワインは100%全房発酵を取り入れており、骨格と複雑さのある仕上がりが特徴的だ。赤白合わせても年間2万本に満たない限られた生産量しか造られないことから、今後ますます入手困難になっていくだろう。 | |
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