イギリス人写真家、ハーリー・ウィアーの作品集。「世の中すべての人形(All the Dolls in the World)」に捧げた1冊。本作は、身体や美、女性(または人)の人工的な描写、望まれることへの欲求といったテーマを取り上げており、ボディ・ホラーの要素が純粋な美しさを貫くことで捉えられている。決して綺麗ごとでは済まさず、かなりショッキングな内容で描かれている。208ページに渡り、作者の美学のあらゆる側面を表しており、鑑賞者自身の見え方を変えるかもしれない。キュレーターのシャーロット・コットンが寄稿、「The Exquisite Corpse(優美な屍骸)」と題され、モデル、写真家グィネヴィア・ヴァン・シーナス、ジャスティーン・カーランドなど、これまで様々なアーティストと交わした会話を織り交ぜている。トランスジェンダー・アーティスト、作家、監督のアッシャー・ハートマンのディレクションによって劇的なテキストにまとめられている。本書は、ロンドン発のインディペンデントマガジン『Beauty Papers』より刊行、今や絶版となっている2018年刊行の『FATHER』に続く一冊。