Salmon / サルモン「ヴァレ・ド・ラ・マルヌ」のショミュジー村に20世紀初頭から続くヴィニュロンの家系で、1980年にRMを設立して本格的に自社ビン詰めを開始しました。2010年に3代目アレクサンドル・サルモンに世代交代し、従来のリュット・レゾネ栽培を実質的なビオロジー栽培まで高めたり、一部の畑で馬による耕作をはじめたり、また、輸出展開を開始したりといった躍進が遂げられました。この生産者は、自他ともに認めるピノ・ムニエのスペシャリストであり、ヴェールに包まれたこの品種の本当の姿、真の魅力を完璧に把握して具現化する力量において、彼らの右に出るものを見つけるのは至難です。「30年前まで、このエリアにはピノ・ムニエしか植えられていませんでした。その後国際的な品種ブームが起きて、ピノ・ムニエはどんどん引っこ抜かれ、かわりにピノ・ノワールやシャルドネが植えられていきました。しかし、先人たちの長い長い試行錯誤の歴史を経て、この地にピノ・ムニエが定着したのには理由があるのです。その理由を、私たちのシャンパンを飲んで実感していただければ本望です」。「それぞれのぶどう品種に特有の美質を得るためには、ヴィエイユ・ヴィーニュであることが重要です。古樹より生まれるピノ・ムニエには、フリンティ(火打石)香とミネラルがたっぷりと含まれています」。「ピノ・ノワールとシャルドネは今やどこの国でも栽培されていますが、シャンパーニュ地方以外でピノ・ムニエを栽培している産地はほとんどありません。ワインに限らず、世界中の消費者が「その地ならではのもの」を求めるようになった今、「シャンパンといえばピノ・ムニエ」と言われるようになる日がきっと来ると、世界でひとりだけかもしれませんが、私は信じています」。偽りのない自らの「ピノ・ムニエ観」を、磨き抜く。アレクサンドル・サルモンの関心は、この一点に置かれています。 |
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