内容紹介東京都の小笠原諸島がユネスコの世界自然遺産となってからよく話題になるが、実は180年以上前からそこには多数の言語を話す人々が暮らしており、2世紀近くにわたってさまざまな言語接触が積み重なった結果、現代使われる「小笠原混合言語」が形成されたのである。本書は、その構造をピジンやクレオールとの違いから分析しつつ、21世紀の日本が直面している「多文化共生」や「複言語」の状況を小笠原の欧米系島民がどのようにして乗り越えてきたかを解説する社会言語学の歴史的研究である。著者についてダニエル・ロング(Daniel Long)首都大学東京人文科学研究科日本語教育学教室教授〈主な著書(共編著含む)〉『マリアナ諸島に残存する日本語』(2012)、English on the Bonin (Ogasawara) Islands (2007)、『小笠原ことばしゃべる辞典』(2